試着の罠。

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毛深い上に剛毛なのが悩みのタネで、昔はうっかり手入れを怠ると、ボディソープが泡立ちやすくなるほど生えていました。
ですので、ムダ毛処理には人並み以上に気を遣って生きてきました。

ところが学生時代の春休み、気が抜けてうっかり全身の毛の処理を怠っていた時のこと。
急に外出することになり、ついでにお気に入りのショップをのぞいたらとても可愛いミニスカートがあったので、思わず勧められるままに試着をしてしまいました。
出かけるときはクロップトパンツだったので、つい油断してしまったのです。

着替える最中も気がつかず、試着室を出て店員さんが私の脚を凝視しているのを見て、私はようやく自分がスネ毛の処理を忘れていたことを思い出しました。
日頃のお手入れの賜物で随分薄くなったとはいえ、1cm以上も伸びてしまったひじきのようなスネの剛毛は、試着室の鏡越しでも十分過ぎるほどのインパクトを放っています。
おまけに私は元が色白。色の白いは七難隠すというけれど、この時ばかりは仇以外の何物でもありませんでした。

そこでさっさと試着室に戻ればよかったのですが、こうなったら開き直るしかないと変なスイッチが入ってしまい、私はその恰好のまま鏡の前で角度を変えたり他の服をチェックしてみたり、たっぷり5分以上は粘ったのです。
店員さんはその間、必要以上に私のスタイルが良い、ミニスカートが似合うと褒めちぎってくれました。
時折所在なさげにちらちらと私の両脚に視線を投げかけているのは分かっていましたが、ここで引いたら負けだと思い、私は初夏のファッションを先取りして楽しんでいる女子を、堂々と最後まで演じ切りました。
店員さんは私が試着室へと消えていった瞬間、さぞかしほっとされたことと思います。
ミニスカートはもちろん買い上げ、素知らぬ顔でショップを後にしましたが、それ以来足を踏み入れていません。

それ以降も同じようなシチュエーションで処理忘れに気付くことは度々ありましたが、その都度サイズが合わないなどと理由をつけて、試着室から出ないように気を付けてきました。
またバスルームには常にカミソリを常備し、人目につく部分だけでも毎日処理するなどの地道な努力を続けるようにしています。
あらゆる脱毛方法を試みた結果なのか、老化現象で発毛力自体が衰えてきたせいなのか、昔より随分薄くはなりましたが、この失敗を教訓として、これからもムダ毛処理で恥ずかしい思いをすることがないよう徹底していきたいと思います。